
会場で自身の作品を手にする小栗さん=土岐市の下石窯元館で
美濃焼伝統工芸士の小栗正男さん(72)=土岐市妻木町=の作陶展「えがおの食卓3」が同市下石町の下石窯元館「ギャラリー翔」で開かれている。30日まで。
小栗さんは県陶磁器訓練校を卒業後、多治見市内の製陶所でデザイナーとして経験を積み、29歳の時に独立して陶房「点窯」を開いた。3年前からは「えがおの食卓」と銘打ったシリーズ展を毎年開き、器を通じた食卓のだんらんへの思いを作品で表現している。
今年は鼠(ねずみ)志野の茶わんや湯飲みを中心に80点を展示した。来年の戌(いぬ)年にあやかり、手招きをする犬の置物や犬が寝転んだ姿の箸置きも披露した。クリの樹皮を混ぜた釉薬(ゆうやく)で柔らかく明るい茶色に仕上げた急須もある。
小栗さんは「実用品にもユーモアがないと後世に残っていかない。遊び心を理解してくれる人がいるとうれしい」と話した。
(問)同館=0572(57)3528。月曜休館。18日は祝日のため開館。
(斎藤航輝)