
ニュートリノについて学べる体験コーナー=飛騨市のひだ宇宙科学館カミオカラボで
素粒子ニュートリノの研究を身近に体験できる施設「ひだ宇宙科学館カミオカラボ」が、飛騨市神岡町夕陽ケ丘の道の駅「スカイドーム神岡」内に誕生した。世界最先端の宇宙科学研究が行われている町では、観光誘客や学びの拠点施設として期待が膨らんでいる。
神岡町には、東京大宇宙線研究所が運営するニュートリノ観測装置「スーパーカミオカンデ」がある。しかし、鉱山の地下深くに位置するため、一般に見学できる機会は年に2、3度に限られていた。カミオカラボは、地元の研究を多くの人に知ってもらおうと、市が2017~18年度に整備した。
中央の大型スクリーンでは、神岡鉱山地下にある観測施設へと入っていく映像などが楽しめる。観測装置に使われている光センサー「光電子増倍管」の実物も展示。設置の角度や金具などを正確に再現した。
パネルをタッチして、ニュートリノの性質が変わることを学ぶゲームをはじめ、体験コーナーも充実させた。ノーベル物理学賞につながったニュートリノの研究実績や、神岡町にある重力波望遠鏡「KAGRA(かぐら)」を紹介する展示もある。
12日に内覧会があり、市の担当者は「映像はスーパーカミオカンデの中にいるような感覚が味わえる。気軽に立ち寄ってもらいたい。知識欲を満たしてもらえると思う」と話していた。オープンは27日で、入場無料。
(浜崎陽介)