
さまざまな道具を配置して茶室を再現したコーナー
茶の湯に使う陶芸作品を並べた企画展「茶陶のいろは」が、可児市久々利柿下入会の荒川豊蔵資料館で開かれている。それぞれの道具の使い方や造形の種類なども解説し、茶の世界の基本を楽しく学ぶこともできる。9月12日まで。 (織田龍穂)
会場内に入ると、まず正面に茶室を再現したコーナーが目に入る。畳スペースに茶わんや茶入(ちゃいれ)、茶杓(ちゃしゃく)や茶釜などが置かれ、道具の実際の使われ方がよく分かる。ここを見てから道具別に並んだ展示を鑑賞していく流れだ。
道具は茶入、水指(みずさし)、茶わん、花入(はないれ)、香合、火入(ひいれ)など42点が並ぶ。豊蔵作品のほか、桃山時代の器や中国、東南アジアで作られたものもある。
各道具のコーナーには歴史や使い方、鑑賞のポイントなどを説明したパネルも設置。特徴的な形も紹介し、例えば茶入では丸みを帯びた「文琳(ぶんりん)」や、上部が角ばっている「肩衝(かたつき)」などに分類。展示作品がどの形にあてはまるのか見比べるのも面白い。
香合のコーナーには、タケノコの形をしたものや、口を手で押さえたポーズ「言わざる」の猿などかわいらしい作品も多数。
学芸員の加藤桂子さん(50)は「茶道具というと堅いイメージがあるかもしれないが、多彩な形や釉薬(ゆうやく)の表現がある。1つ1つ異なる美しさを気軽に楽しんでもらえれば」と話す。

見頃を迎えているミヤマヨメナ=いずれも可児市久々利柿下入会の荒川豊蔵資料館で
資料館の敷地内では現在、白い花が美しい山野草のミヤマヨメナが見頃を迎えている。6月半ばごろまで楽しめる見通し。
6月12日、7月11日、8月7日、9月5日にはギャラリートークを開催。展示作品の一部は7月6日から入れ替える。
入館料は一般210円、高校生以下無料。月曜休館。(問)同館=0574(64)1461