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【岐阜】創作の臨場感描写 岐阜、アール・ブリュット作家の写真展

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メモを取る吉沢さんを撮影した写真について語る大西さん=岐阜市学園町のぎふ清流文化プラザで

メモを取る吉沢さんを撮影した写真について語る大西さん=岐阜市学園町のぎふ清流文化プラザで

 池田町在住の写真家、大西暢夫さん(47)による、美術の専門教育を受けていない人たちの作品や制作活動を紹介する写真展「アール・ブリュットの作家たち」が、岐阜市学園町のぎふ清流文化プラザで開かれている。5月8日まで。

 「アール・ブリュット」は、フランス語で「生の芸術」という意味。美術の潮流や人気などには左右されず、自由な発想で表現するのが特徴で、作家には心身に何らかの障害のある人も多い。

 大西さんは2005年から、滋賀県近江八幡市の美術館と協力し、アール・ブリュットの作家とされる人たちを全国で撮り続けている。今回は10年間の撮影から、特に印象に残る16人を写真パネルで紹介している。

 電車の中でペンをとって懸命にメモをとる男性は、東京都中野区在住の吉沢健さん。目にした広告や看板などの文字をひたすらノートに書きつづり、一冊を埋め尽くす独自の「創作」を続けている。大西さんは同行撮影して、常に文字を探し続けるせわしい創作の様子をとらえている。

 自閉症と知的障害のある滋賀県草津市の陶芸家、沢田真一さんにレンズを向けた作品も展示。イタリアで開かれる世界最大級の国際美術展「ベネチア・ビエンナーレ」にも出展した実力の持ち主で、大きく目を見開き、指先で粘土をつかむ表情からは、制作中の緊張感が伝わってくる。

 大西さんは「福祉施設や医療施設に入所する作家も多く、アール・ブリュットを一般の人が知る機会は少ない。彼らのアートを写真で紹介することで、社会との距離を少しでも縮められたら」と話している。

 (宮崎正嗣)


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