
郡上の自然や伝統文化をテーマにした合同作品展の準備をする生徒たち=郡上市八幡町で
郡上市に残る豊かな自然や伝統文化を持続可能な開発目標(SDGs)の視点から表現した作品展「郡上の秋−100年後に残したいモノ・コト」が21日、同市八幡町の郡上八幡楽芸館で始まる。11月20日まで。
郡上北高校(白鳥町)の書道部、美術部、食品ロス減らし隊が連携し、初めて企画した合同展。「郡上の残していきたい、または続けていきたいと思うモノ・コト」について全校アンケートを行い、その結果から作品のテーマを絞り込んだ。会場には、33人の生徒たちが2カ月がかりで仕上げた力作約100点が並ぶ。
「食文化地図」と題した作品では、美術部がちぎり絵で郡上の地図を表現。書道部は奥美濃の郷土食「鶏(けい)ちゃん」などの写真と書作品を組み合わせたデジタル作品8点を制作し、地図上に配置した。
郡上おどりをテーマにしたびょうぶも両部の合作。「雨も降らぬに袖しぼる」といった歌詞の書と、郡上の風景を連想させるびょうぶの対比が存在感を示している。長良川の水質保全を訴える合作では、「鮎」などと揮毫(きごう)した書と立体作品を組み合わせた。
生徒有志でつくる食品ロス減らし隊は約3年間にわたり、消費期限が近い食材を活用した料理の販売や、食品ロス削減の啓発活動を続けてきた。会場ではこれまでの活動内容をパネルで紹介しており、11月3日には家庭の食材管理に役立つ「食品ロスカレンダー」を配布する予定だ。
合同作品展には自然と伝統文化を守りながら、郡上を時代に適応した新しい形に発展させていくには何が必要かを考えてほしいというメッセージが込められている。19日に開場準備をした生徒たちは、一つ一つの作品が持つ意味にこだわりながら展示を終えた。 (中山道雄)