
史実を示す古文書を紹介する長谷さん=各務原市那加門前町の市中央図書館で
江戸時代に大奥の将軍らの食用に献上されていた米「御膳籾(もみ)」が、現在の各務原市域で作られていたと示す古文書などを集めた企画展が、各務原市那加門前町の市中央図書館で開かれている。13日まで。
市歴史民俗資料館が3年前から、市内の旧家などから寄贈された資料を基に分析。御膳籾は最古で1694年、現在の各務原市域で生産していたと判明した。1832年には、美濃国の幕府直轄領が納入した御膳籾3760石のうち、501石を各務郡が受け持っていたことなどが具体的に分かってきた。
展示では、各務郡周辺は水害が起こりにくいなど、江戸での厳しい選別にも耐える上質な米の生産に適した土地であることや、地域として御膳籾を納めている貢献を主張し、幕領であり続けようとしたことなどが読み取れる。
資料館の長谷健生(けんき)さん(29)は「各務原市域で御膳籾を生産していた歴史が、市の魅力や農業をやっている方の勇気につながれば」と話している。
午前10時~午後5時。休みは市中央図書館の休館日に準じる。
(酒井貴之)