
市之倉の焼き物をテーマとした作品が展示された会場=多治見市美坂町2の市陶磁器意匠研究所で
多治見市美坂町二の市陶磁器意匠研究所(意匠研)で、同市市之倉町の焼き物をテーマに、実物の展示と3Dバーチャル技術を組み合わせた展覧会を開いている。3月5日まで。会期中無休。
展覧会は、意匠研と市文化財保護センターの連携企画「多治見のやきもの」の第5弾。センターが所蔵する陶磁器を3Dスキャナーで撮影し、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)といった3Dバーチャル技術を使った見せ方などを共同研究している。美術館などの所蔵品を手にとることなくあらゆる角度から鑑賞できたり、商品販売の立体的なカタログ作りに生かしたりするなど、技術の活用方法を模索している。
展覧会では江戸から昭和にかけて市之倉の歴史が分かる茶わんやとっくり、花瓶などの製品のほか、5代加藤幸兵衛さん、加藤卓男さん、安藤日出武さん、玉置保夫さんら市之倉ゆかりの陶芸家の作品も1点ずつ展示している。一部作品は会場のQRコードを読み込むことで、スマートフォンで立体的に鑑賞できる。
企画を担当する意匠研の田中佑子さんは「研究を通じて焼き物文化の普及に役立てることなど考えていきたい」と話している。
(広瀬和実)

スマートフォンの画面の中であらゆる角度から作品を見ることができる