
規格外品の紫キャベツを使ったランチ=海津市平田町野寺のカイジュウカフェで
規格外の農産物の有効利用を―。海津市平田町野寺の道の駅クレール平田にある「カイジュウカフェ」は17日から、規格外品の紫キャベツを使ったランチを提供する。天候不良で成育が遅れ、廃棄せざるを得なかった養老町の農家を支援しようと企画した。3月6日までを予定するが、紫キャベツがなくなり次第、終了する。 (甲斐崎颯斗)
養老町大巻の農家、山田邦晶さん(37)は、2021年まで米を栽培していた田んぼで昨年、キャベツを栽培。だが昨夏の雨の影響で種まきが遅れ、大きく育たなかった。やむを得ず、約2万5000個を農地に返し、廃棄することを決めた。山田さんは「農作物は工業製品と違って均一には作れない。だが、消費者にはきれいなものしか出荷できないため、ロスが生まれている」と嘆く。
物価高の影響も受け、肥料代は1.5倍近く上がったが、野菜の買い取り価格は変わらない現状に「赤字ぎりぎりの厳しいライン」と山田さんは不安を口にする。
別の畑で育てた紫キャベツも、250キロほどが規格外で出荷できずにいた。カイジュウカフェを経営する「南常」の西川崇さんが、取引先である山田さんの窮状を知り、ランチで提供することを企画した。

農地で紫キャベツをつくる山田さん(右)=養老町大巻で
ランチメニューのうち、サンドイッチとポタージュに紫キャベツを使用。サンドイッチの具は、低温調理した県内産の鹿肉と、ビーツやクランベリーを使った店オリジナルのドレッシングで酸味をつけた紫キャベツをふんだんに挟む。鮮やかな紫色のポタージュを西川さんは「キャベツの甘みが感じられる」と魅力を語る。ランチは1500円。
クレール平田の直売所でも規格外の紫キャベツをお値打ちで販売している。山田さんに入る売り上げは、地元のこども園で毎年行っている米作り体験の資材購入費に充てる。