
円空大賞に選ばれた「Tara Ocean(タラオセアン)財団」の作品=岐阜市宇佐の県美術館で
生涯に12万体もの神仏像を彫った県ゆかりの修行僧、円空を連想させる独創的な芸術文化活動を顕彰する「第10回円空大賞」に、気候変動や海洋の調査研究に取り組むパリの「Tara Ocean(タラオセアン)財団」が選ばれた。30日、岐阜市宇佐の県美術館で授賞式が開かれた。
同財団は、海洋探査船「タラ号」にアーティストを乗せ、作品を通じて海の現状を知らせている。授賞式で、財団エグゼクティブディレクターのロマン・トゥルブレさんは「40人近くのアーティストの力で受賞できた。今後もアートの大切さ、科学の大切さを伝えたい」と述べた。
円空大賞は、1999年度から2年に1度実施。大賞に次ぐ「円空賞」には、多治見市の彫刻家大嶽有一さん(70)、奈良県の彫刻家安藤栄作さん(58)、米国在住の画家池田学さん(46)、東京都の記録映画作家羽田澄子さん(94)を選んだ。
受賞者の作品を紹介する円空大賞展(中日新聞社後援)は3月8日まで、県美術館で開かれる。
(稲田雅文)