
浮世絵ナビルームの案内役として導入された「ペッパー」=恵那市大井町の中山道広重美術館で
恵那市大井町の中山道広重美術館は6日、2階の浮世絵ナビルームをリニューアルオープンする。案内役としてソフトバンクの人型ロボット「ペッパー」1体を導入し、浮世絵を販売していた絵草紙屋の店先を再現した。美術館でペッパーが常時稼働するのは、全国的にも珍しいという。
◆展示室 6日に新装オープン
開館15周年記念事業の一環。ナビルームは浮世絵の歴史や制作過程などを紹介する常設展示室で、浮世絵の重ね刷り体験もできる。パネル展示が主体だったため、気軽に興味を持ってもらえればと改装した。
ペッパーは、来館者がタッチパネルを操作すると、身ぶり手ぶりを交え、館内案内や重ね刷り体験の手順を説明したり、所蔵する歌川広重の作品を紹介したりする。浮世絵にちなんだクイズもある。英語でも対応できる。
絵草紙屋は、広さ約20平方メートル。柱や壁は、市の地場産業である段ボールを活用し、床は本物の畳を敷いた。広重をはじめ、葛飾北斎、喜多川歌麿などの複製品80点をひもでつるして展示し、江戸時代の販売の様子を見ることができる。
美術館は、昨年度から公益財団法人が市の指定を受けて運営。収益は公益事業に活用することになっており、事業費140万円とペッパーのレンタル代に充てた。
小嶋初夫館長は「ナビルームには職員が常駐していなかったので、おもてなしになれば。最新の技術の結晶と日本の文化を一緒に楽しんでもらいたい」と話した。
毎週月曜(祝日の場合は翌日)と展示替えの際は休館。(問)美術館=0573(20)0522
(生田貴士)